「住んでみて分かった」シリーズ、第2回は戸建てである。
マンションで子育てをしていると、どうしても気になるのが下の階への足音だ。だから戸建てに移るときは、正直、最高の気分だった。下の階がない。もう誰にも気を遣わなくていい。
そう思っていた。
下の階はなくなった。隣の家が近かった
住んでみて分かったのは、戸建てどうしが意外と近いということだった。
隣の家の生活音が聞こえる。ということは、こちらの音も向こうに聞こえているはずだ。子どもがはしゃげば、それは隣の家にも届いている。
結局、気を遣う相手が「下の階の人」から「隣の家の人」に変わっただけだった。マンションなら壁と床で隔てられていた音が、戸建てでは窓越しに、空気を通して伝わってくる。
内見のときは、静かだった
悔しいのは、内見のときにはまったく気づかなかったことだ。
内見に行った時間帯は、周りはとても静かだった。住宅街は、時間帯によってはみんな仕事や学校に出ていて、驚くほど音がしないのかもしれない。ところが住み始めると、周りの音や外の人の声が思った以上に聞こえてくる。
内見で見ているのは、その家の「ある時間の一瞬」でしかない。これは戸建てに限らない話だが、戸建てでは特に効いてくる。
せっかくの窓が、カーテンで埋まった
もう一つの落とし穴は、人目だった。
戸建てには窓がたくさんある。明るくて、風も通る。ところが、隣の家や道路からの視線が気になって、結局カーテンを閉めっぱなしにする生活になってしまった。せっかくの窓があるのに、である。
隣の家の窓と向かい合っていたり、道路を歩く人から部屋の中が見えたりすると、カーテンを開ける気にはなかなかなれない。これも内見の30分では分からなかった。
戸建てを選ぶなら、確かめておきたいこと
同じ落とし穴にはまらないために、内見のときに確かめておきたいことをまとめておく。
- 時間帯を変えて2回以上行く:平日の昼だけでなく、夕方や休日にも行ってみる。家の中だけでなく、周りの道を少し歩くと、音の様子がよく分かる
- 隣の家との距離を測る:建物と建物の間が何mあるか。狭い分譲地では、手を伸ばせば届きそうな距離のこともある
- 窓の向きを確かめる:自分の家の窓が、隣の家の窓や道路と向かい合っていないか。窓を開けたとき、そこから何が見えるか、誰から見えるかを確認する
- リビングの窓から外を見てみる:外が見えるということは、外からも見えるということ。カーテンを開けて暮らせそうかを想像してみる
- 目隠しの工夫ができるか:すりガラスの窓、フェンス、植栽、外から見えにくいレースカーテンなど、後から対策できる余地があるか
ちなみに民法では、隣の土地との境界から1m未満の距離に、隣の家の中が見える窓やベランダを作る場合は、目隠しをつけなければならないと決められている。建てる側の話ではあるが、隣の家と近い土地を見るときの一つの目安になる。
まとめ:「下の階がない」の次にある音と視線
戸建てには、マンションにはない自由がある。下の階を気にせず暮らせるのは、やはり大きい。
ただ、戸建ての静けさとプライバシーは、建物ではなく「隣との距離」で決まる。内見では、家の中と同じくらい、窓の外をよく見てほしい。
次回は、また別の家で住んでみて分かったことを書く予定だ。